高品質瓦の開発(I) |
昭和57年度 |
近藤祥人 |
| 県産粘土瓦は、原土処理技術、焼成技術等の改善により、品質の点において大きく改良された。しかし、原料として使用している県産原土の種類は少なく、また、それらを構成している鉱物組成に大きな差異は認められない。従って、いずれの県産原土を原料として使用しても、その素地の本質的な特性に大きな差異は認められず、従来の製品と比較して、特徴ある特性をもつ素地を得ることは不可能である。そこで特徴ある素地を開発すべく、県産原土の改質を主題に本研究を計画した。 原土の改質には、電気化学的な方法、メカノケミカルな方法等、種々考えられるが、本研究においては、県産原土に含有されてはいないが国内に豊富に産出し、かつ、安価である石灰石をとり上げ、これを県産原土に少量添加し、石灰質素地としての原土の改質を試みた。 過去、石灰質素地についての研究報告は多くある。粘土鉱物と石灰との固相反応については、桜井ら、井上らの報告があり、天然産アノーサイト質原料を用いた磁器素地について、S.Lyngらの報告がある。また、川村らはカオリンと石灰との基本的な組成混合物について、広い温度域における反応過程を検討している。しかしこれらの報告は、高品位窯業原料を使用したもの、高石灰質の領域を対象としたもの、あるいは、固相反応を詳しく検討したものであり、低温域における低品位石灰質素地の特性について、詳しく検討した報告は見当たらないようである。 以上のことから、本研究では県産瓦用原土の改質を主たる目的とし、瓦用原土に少量の石灰を添加して得た石灰質素地について、種々の特性を検討したので報告する。 |
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