研究紹介
石材加工技術の開発
材料技術部門 冨野寿和
多孔質鋳鉄ボンドダイヤモンド砥石は、ダイヤモンド砥粒と結合材である鋳鉄粉末との化学反応に起因して、高い砥粒保持力を有する。これまで当センターでは、この様な優れた特性を有する多孔質鋳鉄ボンドを、本県地場産業である石材加工業において使用されるダイヤモンド砥石に適用することを試みてきた。その過程で、現状の多孔質鋳鉄ボンドダイヤモンド砥石の砥石寿命は市販品を大きく上回るが、目立て作業無くしてその性能を十分に発揮させることは困難であることがわかった。
この様な現状に対処すべく、結合材である多孔質鋳鉄ボンド中にアルミナ粒子やアルミナ顆粒を添加し、結合材の機械的特性を調整することにより自生発刃作用を付与することを試みた。その結果、添加するアルミナの粒径や添加量また添加の形態により、多孔質鋳鉄ボンド砥石の研削特性が変化することが判明した。
そこで、アルミナを添加しない鋳鉄粉末単味のN系、アルミナ粒子を添加したP系、アルミナ顆粒を添加したG系の3種類の砥石を試作し県内庵治・牟礼町の石材加工業者に依頼して現地評価試験を行った。自動機による切断試験では、目立て作業が必要であったものの、最も高強度高剛性であるN系が市販砥石の2〜3倍の寿命を示した。また、目立て作業無しでの自動切断はP系で可能であった。一方、最も軟らかい結合材特性が必要な手動機での切断試験では、G系が良好な切断特性を示し、目立てなしでの作業が可能であった。
以上、アルミナ粉末を添加し結合材の機械的特性を調整することにより、多孔質鋳鉄ボンド切断砥石を多様な切断形態に適応させることが判明した。