研究紹介
農業用機械の自律走行のための制御技術の開発
システム応用技術部門 高原茂幸
食の安全性に対する消費者の意識は大きく変わっており、農作物の生産方式も大きな変革が求められている。とりわけ、雑草防除、病害虫防除、施肥に代表されるような作物管理の方法にも、従来にも増して高精度化が必要とされている。しかし、これらの作物管理作業は農家生産者への負担が大きく、機械化・自動化が望まれている。
そこで本研究では、農業用機械のなかでも水田内の除草用機械をターゲットとし、屋外作業にも耐えうるような自律走行のための制御技術の開発を行う。センシングのためにカラーCCDカメラやジャイロセンサを用い、簡便に作業環境や車両自身の姿勢を認識させることで車両を制御し、自律走行が可能であることを検証した。画像による稲列認識及び枕地認識を行い、稲列への倣い走行及び枕地での旋回走行が可能であった。
さらに、作物の生育状況が車両の自律走行に与える影響について検討を行った。実際の圃場での走行試験を行い、問題点や実用性の評価を行った。今回用いている画像による稲の認識手法では、条間が見えなくなるほど稲が生育した状態にあると、自律走行は不可能であるが、移植後10日から1ヶ月程度の間であれば、自律走行が可能であった。
条間が見えなくなるほど稲が生育した状態であれば、画像情報を用いるのではなく、接触式センサーを用い稲株を認識することで、同様に自律走行が可能であった。
よって、精密農業における作物管理作業の自動化に向けて見通しが立ったと考える。