研究紹介

酵母添加による味噌の試験醸造

食品研究所 岩崎賢一


1 はじめに
 味噌の醸造において酵母の添加効果を検討するために、県内味噌工場より分離した味噌酵母No.3を用いて工場規模における試験醸造を行った。醸造過程におけるアルコール生成量を調べるとともに、一般成分分析と官能検査を行い、その有効性を評価した。
2 実験
 酵母は、大型発酵槽(30L、3連)を用いて2日間培養した後、連続遠心装置により集菌し、食塩水で洗浄したものを使用した。添加試験は、味噌企業2社における発酵容器(4トン)を使用し、酵母を種水と混合して麦味噌と米味噌を仕込んだ。比較のために、酵母無添加の味噌も同時に仕込んだ。試料の採取は、味噌表面から約10cmの位置で行った。
3 結果
 酵母添加味噌(麦、米)は、無添加味噌に比較してアルコール生産性が向上した。成分を比較すると、アルコールの生成に連動して全糖濃度が低下した。全窒素濃度は、仕込み時の麹歩合に左右される傾向が認められた。試醸した味噌を香川県味噌工業協同組合の組合員をパネラーとして官能検査を実施した結果、色、香り、および味について良好であるとの評価を得た。
 本技術を実用化するためには、再度同様な試験を行い、再現性を確認する必要がある。

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