研究紹介
Debaryomyces hansenii R28の生産する
各種ポリオール脱水素酵素の挙動
食品研究所 大島久華
1 はじめに
ポリオールは保水性を高め、水分活性を下げると共に、ノンカロリーであるという特徴を有し、広く食品や医薬品に利用されている。
当センターでは酵母菌体を用い、希少ポリオールのひとつであるD-タリトールの大量生産技術の開発に取り組んできた。本研究では酵母菌体が有するD-タリトールの生産に係わる酵素の性質をより明らかにするため、各種ポリオールに対する酵素活性を検討したので報告する。
2 方法
D. hansenii R28を常法に従って培養後、菌体から粗酵素液を調製し、様々なポリオールに対する酵素活性を測定した。また粗酵素液をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した後、各種ポリオールを基質とした活性染色を行った。
3 結果
粗酵素液の各種ポリオールへの基質特異性を表に示した。D-グルシトール、L-イディトール、キシリトール及びリビトールへの相対活性が高いことから、粗酵素液中の活性の主体は、ポリオールデヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.14)であることが示された。
活性染色によってポリオール脱水素酵素の局在性を調べた結果、いずれもほぼ同じRf値に活性が存在し、ポリオールデヒドロゲナーゼが各種ポリオールの脱水素反応に係わっていることが示唆された。