研究紹介
県産小麦「さぬきの夢2000」に適した製麺条件の検討
食品研究所 稲津忠雄
1 はじめに
「さぬきの夢2000」(以下、「夢」と略す)は、地元製麺業者等からの要望で、県がさぬきうどん用に開発した県産小麦であり、食感のバランスが良いとされている。しかし、製麺業者からは製麺作業性が悪く、ゆで麺の老化(劣化)が早いという指摘がある。
そこで本研究では、製麺時の取り扱いが難しく、ゆで麺の老化が早いとされる「夢」小麦粉を活かす製麺条件について検討を行ったので紹介する。
2 実験方法
小麦粉は県内製粉工場で製粉された「夢」および「ASW」を用いた。生地物性評価は製麺条件(加水率、塩水濃度、鍛え回数)を変えて生地を調製し、ダンベル型に打ち抜いた後、引張試験を行った。食味試験は加水率、塩水濃度を一定とし、鍛え回数(三つ折り→足踏み→ロール巻き→足踏みを1回とした)の異なる生地から、ゆで麺を調製し試験に供した。ゆで伸び試験は食味試験と同様にゆで麺を調製し、圧縮破断強度の経時変化をレオメーターで測定した。
3 結果
「夢」の生地強度は、鍛える回数が5回までは、回数を増やすにつれて向上し、それ以上ではその強度に差は認められず、生地を鍛えることがグルテンの網目構造の形成に寄与することが明らかとなった(図)。同様に、塩水濃度は「ASW」の場合より高く設定することが生地強度の点から適当であると考えられた。
生地の鍛え回数と食味試験の関係をみると鍛え回数3〜10回のゆで麺は、鍛え1回のものに比べ、総合評価がいずれも高い結果となり、さらに、ゆで伸びの抑制にも効果があった。これらの結果から、「夢」生地は鍛えることで製麺性が改善し、食味の評価もそれに連動して向上することが明らかとなった。