研究紹介

石材の加工面品位におよぼす加工条件の影響

材料技術部門 冨野寿和


 本県庵治・牟礼地域は、真壁(茨城県)、岡崎(愛知県)と並び称される石材加工品の三大産地の一つである。これは全国的に名石といわれる庵治石の産出地であることに起因する。
 石材製品は、山から採掘された母石を、大割・小割りし、切断・研磨加工を施すことにより最終製品に仕上げられる。このとき、石材加工製品の質感(色艶や深み等と言われるもの)に大きな影響を与えるのが研磨加工工程である。研磨加工は、メタルボンド研磨砥石、レジンボンド研磨砥石、バフ研磨砥石などを使用するが、石種や加工形態によって多種多様の砥石を複雑に組み合わせることにより行われる。
 これらの石材研磨用工具は、近年の安価でかつ大量生産可能な人造ダイヤモンドの登場や特殊な砥石結合剤の開発等により、飛躍的な進歩を見た。また、それに対応すべく石材加工業者において、研磨加工条件の検討が行われ現在の高品位な石材製品が作られるに至った。
 しかしながら、これらの加工条件が石材の加工面品位にいかなる影響を及ぼすかについての十分な報告例はない。そこで本研究では、石種と加工工具、加工工具と加工条件などの組み合わせを変化させ、加工面の光沢度や色彩等に代表される石材研磨面の加工面品位について検討した。以下に得られた結果を要約する。
(1) 研磨加工面の初期状態は使用工具により大きく異なる。したがって、目的とする加工面を得るための研磨工具を適正に選択する必要がある。
(2) 同一の工具であっても、被削材によって仕上がり状態が異なるので、石種により最適な工具を選定する必要がある。
(3) 同一の研磨工具であっても、加工面温度によって仕上がり状態が異なる。したがって、加工面温度は品質管理上、重要なパラメーターであると言える。

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