研究紹介

県産せっ器粘土の固化体

材料技術部門 近藤祥人


 日本の気候が高温多湿のモンスーン型気候であることから、昔の住宅は木材や土壁が建材として使用され、比較的空気の抜けやすい、湿気がたまりにくい住宅構造であった。本研究では、これまで建築用陶器の原料として使用され、県内に豊富に埋蔵するせっ器粘土を調湿性付与材とした固化体の調湿機能について検討した。
 入交産業製消石灰(雪印)30mass%とせっ器粘土70mass%の混合粉末に対して水を6mass%添加・混合した後、25MPaの圧力で一軸プレス成形した約250×250×10mmの成形体を、炭酸ガス雰囲気中で炭酸固化することにより固化体とした。
 作製した3種類の県産せっ器粘土を用いた固化体の曲げ強さ、かさ比重および吸・放湿量を表1に示す。
 表において、かさ比重は1.84〜1.91の間にあり、一般的な陶磁器質材料に比べて小さい値となっている。また、吸・放湿量はいずれの試料においても200g/m2以上の値を示している。現在市販されている調湿建材の吸・放湿量150〜200g/m2であることから、せっ器粘土を調湿機能付与材として使用し、炭酸固化体を作製することにより優れた調湿材料を作製できることが判明した。なお、試作した3種類の試料の中で、吸・放湿量が異なるのは、せっ器粘土中に含有する粘土鉱物種の量及び種類によるものと考えられる。

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