研究紹介

環境対応型切削加工技術に関する研究

生産技術部門 佃  昭


 代表的な難削材であるニッケル基超耐熱合金に対して、環境対応型加工法として注目されているMQL(Minimal Quantity Lubrication:極微量潤滑油供給方式)加工の適用を検討した。加工方式は正面フライス加工とし、供試材はインコネル600及びインコネル718である。MQL加工は、試作合成油を約20ml/hrの油量で切削開始部に供給した。また比較のための湿式加工には、エマルジョンタイプの水溶性切削油剤を用いた。実験結果として、各油剤供給方式による工具寿命の比較を図1に示す。乾式加工において比較すると、インコネル600の方がインコネル718よりも工具寿命(切削距離)は長く、被削性は前者の方がよい。インコネル600においてMQLを適用すると、飛躍的に寿命が延びた。しかし、インコネル718の場合には、乾式、MQL、湿式いずれの場合もほとんど同じ寿命を示した。ここで、切り屑厚さを測定すると、MQLの効果があったインコネル600の場合は、MQLの適用により切り屑厚さが減少していた。このことは、工具のすくい面に油剤が作用して工具−切り屑間の摩擦力が低減し、切り屑のせん断角が大きくなり、切り屑厚さが薄くなったものと推察される。一方インコネル718の場合は、被削材の難削度が高いため、工具刃先温度が上昇し、MQL、湿式のいずれの場合とも、油剤の潤滑効果が十分に得られなかったものと考えられる。

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